世界最古の宝石、エメラルド。
今回は「エメラルドの魅力」についてお話させていただきたいと思います。
目次
最古の宝石―【エメラルド】
エメラルドは紀元前4000年には、バビロンですでに取引されており、 宝石として最も古い歴史をもっています。
当時、絶世の美女クレオパトラがこよなく愛した宝石として有名で、 化粧用のパウダーとしても愛用していたそうです。
古代からすでに邪気を払い、輝きを高めるために油に浸漬する事が行われていたという。
今日では、エメラルドのほとんどに見られる無色オイルあるいは樹脂の含浸は、
【クラリティ―・エンハンスメント】として世界中で認知されています。
コロンビア産エメラルド
コロンビアのエメラルドはスペイン人がやって来るずっと以前から 先住のインディオの手で採掘されていました。
スペインの征服者がコロンビアに侵入し、彼らは大量のエメラルドをインディオから奪い、
更にソモンドッコ(碧の石の神)と呼ばれるエメラルド鉱山の在りかをも聞き出したのです。
1537年、ここにスペイン人が鉱山を開き、これが現在のチボール鉱山につながっていきます。
またムゾー鉱山は、1564年、ムゾーの町でスペイン人が馬のひづめの下に光る 緑の石の断片を見つけたことがきっかけとなり
今日のムゾー鉱山が生まれたと云われています。
コロンビアのエメラルドは、青色を含まないその良質なすばらしい緑色によって 他の産地のものと区別されます。
ムゾー鉱山は、コロンビア最大の鉱山であるとともに、 最高級のエメラルドを産出するという定評があります。
緑色が濃いうえに柔らかい味わいがあります。 コスケス鉱山のものは淡い緑色に特徴があります。
チボール鉱山のものはムゾー鉱山のものと比較すると内包物は少なく透明度が高いです。
ムゾー鉱山のエメラルドは、カシミール産サファイヤ、ビルマ産ルビーと共に代表的な貴重なカラーストーンの一つです。
産地によるインクルージョン【内包物】の特色
宝石のプロは、エメラルドを一目見るとたいてい、産地を言い当てることができます。
それくらい特徴的なインクルージョンがあるので、それを確認できれば、 即天然であるという判断もできます。
是非みなさんも、石の中をよ~く見てください!
因みに20倍~40倍のルーペもしくは顕微鏡が必要。
【コロンビア産】
この石の特徴は、三相インクルージョンです。
石の中に、液体、気体、固体、の神秘的な三相の含包物が、一体になって観察できます。
【ザンビア産】
コロンビア産を除くエメラルドには、黒雲母(バイオタイト) インクルージョンの存在が確認できます。
黒雲母の存在はザンビア産の照明にはなりませんが、顕著なインクルージョンであるといえます。
【ジンバブエ産】
ジンバブエ産のインクルージョンの特徴は、トレモライトの繊維状の結晶です。 針のように伸びて、交差していて、時には曲っています。
エメラルドの美しさと価値について
まず、色ですが、グリーンの濃さと鮮やかさから判断します。
グリーンの明度が高く、彩度が高いものが、価値が高くなります。
よく勘違いするのが、濃いと黒いは全く違うということです。 コロンビアのエメラルドは石灰岩に付着して、成長するため、
黒い不純物が入り込みやすいので、そういう石には手をださないほうが良いです。
また酸化クロムが発色の要因になっているものは、エメラルドと呼んでいますが、 主に鉄が色因子の場合は、その石はグリーンベリルと呼ばれます。
エメラルドの色の範囲は、ベリー ストロングリー ブルーイッシュ グリーン~グリーン。
GIAによるファインカラーは、色相:ブルーイッシュ グリーン 明度:5彩度:5 やや青味がかっているグリーンが、ベストな色といわれています。
次にクラリティですが、エメラルドは、非常にインクルージョンが多い石で、 有って当たり前なのですが、
極力透明度が高いものが、やはり評価が高いのです。
しかし透明度が極めて高いエメラルドはとても希少ですので、もし見つけたら、迷わず手に入れてください。