エピフォンの歴史
エピフォンはギブソン傘下のギターブランドです。
誕生から約1世紀にも及ぶ長い歴史を持っています。
エピフォンの名の由来はアナスタシオス・スタトポウロがニューヨークに開いた楽器工房から始まり
その息子であるエパミノンダスの愛称「エピ」とギリシャ語で音を意味する「フォン」組み合わせ、
1928年に社名を「エピフォン」としました。
エピフォン社になる前、20世紀の初頭、バンジョーやマンドリン、 バイオリンなどの制作を行っていました。
エピフォン社になってからギターの制作に取り掛かり、 「レコーディングシリーズ」、
「マスタービルドシリーズ」などのギターを発表しました。
1941年にレス・ポールがエピフォンの工場にてソリッドギター「ログ」の試作品を開発し、
これは後にギブソン社と共同開発する「レスポール・モデル」の原型とも言えるギターです。
1930年代、エピフォン社はギブソン社とライバル関係で競って最新のギターの開発に取り組んでいました。
エピフォン社はギターの新たな技術を開発し続け、ギター本体でのトーンコントロール、ダブルネックのギター、
ネックエンドでトラスロッドが調整可能など、この技術はエピフォン社が世界初でした。
第二次世界大戦中はギターの制作停止を余儀なくされ、エピフォン工場ではギターではなく
戦時物資の開発を行う時期もありました。
エピフォン社は労働争議や工場移転、他社への買収などにより、1957年にギブソン社に買収されます。
この頃にエピフォンで有名なギター、「カジノ」が制作されています。
「カジノ」はビートルズのジョン・レノンが使用していたことでもあまりにも有名なギターで非常に人気が出ました。
1959年にはギブソンで製造されていたレスポールをエピフォンでも製造されるようになります。
1970年にはエピフォン社は日本の工場でギターの生産を始めました。
1982年頃になると韓国やアジア諸国のエピフォン工場で生産されるようになり、
現在では日本で生産されているものや、アジア諸国で生産されているものがあります。
エピフォンとギブソンの違い
ギブソンのレスポールは高価で、エピフォンのレスポールは廉価という違いがまず挙げられます。
レスポール・スタンダードを例に挙げると、 ギブソンは20万前後、エピフォンは10万以下という価格のものが多く、
ギブソンは手が届かないけれどエピフォンなら手が届く。
エピフォンが廉価版モデルなのですが、決してクオリティが低いということはありません。
多くのアーティストが自身のギターモデルをエピフォンで制作もしていますし、
ギブソンのレスポールが高価であっても個体差はあります。
見た目の違いとして分かりやすいのはヘッドの形状です。
ギブソンのヘッドは角のように尖っていますが、エピフォンのヘッドはその角の部分がカットされ滑らかにカーブした
デザインになっています。このあたりは好みの別れる所だと思います。
エピフォン レスポール・スタンダード
Epiphone Les Paul Standard
ボディ材はメイプルトップのマホガニーバッグでネック材はメイプルとギブソンのレスポールと変わりはありません。
低価格帯にも関わらず、ボディのトップ材がフレイムメイプルのものもあり非常に高級感があります。
金属パーツはアジア製のものを使うケースが殆どです。
ボディの塗装はポリウレタンが基本でラッカー塗装は一部の限定モデルに限られています。
レスポールはボディとネックはセットネック方式ですがエピフォンのレスポールにはボルトオン方式のものもあります。
ピックアップはギブソンの高級機種にも搭載されている「57クラシック」のハムバッカーや
シングルコイルに切り替わるコイルタップが可能なモデルもあります。
P-90のピックアップを搭載したレスポールもあります。ペグはクルーソンタイプよりもグローバータイプのものが多く使われ、
低音が引き締まり、高音がはっきりとした印象です。
エピフォンのレスポールは需要が高く人気のあるブランドです。
ギターの買い換えや長い間、弾かれていないエピフォンのレスポールを是非お売り下さい。