





ペリドット(peridot)は、黄色みのあるグリーンをしていて、明るく透き通った美しさを持つ宝石です。8月の誕生石とされています。かんらん石やオリビンといわれる鉱物からたまにとれる変種です。「ペリドット」という言葉の由来ははっきりしておらずいくつかの説があるようです。13世紀頃の英単語「ペリドート」からきているという説があります、これには明るいという意味が含まれています。また、フランス語の「ペリトー」からきているという説もあります。これは不明という意味があり、淡い色をしていることからこういう解釈になったのかもしれません。
屈折率が高く明るい色を放つことから、古代では太陽の石としてあがめられていたようです。暗闇への恐怖を取り払ってくれたり、ネガティブ思考を取り払って前向きな考え方にしてくれたりするといわれています。ネガティブ思考に陥りやすい人は、ペリドットを身に着けると、この宝石のように希望をもって行動することができるようになるかもしれません。また、これを身に着けていると頭が良くなるともいわれています。
他の宝石にないペリドットの特徴として複屈折率の高さが挙げられます。簡単に言うと、この宝石を通して物を見ると物が二重に見えます。ルビーやサファイアも同じような現象がありますが、ペリドットほどはっきりは見えません。
昔の主な産地は、不毛の島といわれている、エジプトの紅海にある島ザバルガッドでした。現在ではほとんど産出されておらず、ブラジル、中国、ケニア、メキシコ、アリゾナ、ミャンマー、ノルウェーなどが今の産地となっています。
またペリドットは、昔は剣や杖などにルビー、サファイア、エメラルド、ダイヤモンドと同様に装飾品としてはめ込まれていました。実はエメラルドと色が似ていたため混同され使用されていたというのが背景にあるようです。19世紀あたりに欧米で流行しましたが、その後は陰に潜みました。しかし、その手に入れやすい価格で、簡単に宝石としてのグリーンの美しさ・光の屈折を楽しめるものとして近年見直されているようです。
ミャンマー産のペリドットは、明るく美しいグリーンです。ルビーの産地として有名なモゴックの近くで産出されていて、ここでは大粒のもの(10カラット)も比較的多く産出されます。アリゾナ産のペリドットは茶色みや黒みがあり小粒のものが多く(5カラット以下)、価値はそれほど高くありませんので、アクセサリーとして手軽に使われることが多いです。ただし、美しいものも稀に産出されるようです。ノルウェー産のペリドットは淡く明るいグリーンをしています。彩度が高くて美しいものも多く(一概には言えませんが、)綺麗な形をしています。ペリドットにもピンからキリまでありますので、選ぶ際は傷が多くないか、茶色みが入っているかどうかで美しさを判断していきましょう。